周辺の住民が研究炉の存在を許容しないという事態は、世界的に普遍する現象ではない。確かにアメリカの2,3の大学所属研究炉は多くの問題の中に周辺住民の理解が得られないことも重なって運転を中止した例があるが、現在良く活動し利用されている研究炉はおしなべて住民との良い関係の中で運営されている。

よい例はウイーン郊外にあるATOMINSTITUTEである。これは武蔵工大炉の10倍の大きさの炉であるが、敷地境界の金網柵の隣は瀟洒な民家で囲まれている(下の写真)。住民との関係は全く問題が無いとのことである。

 

ATOMINSTITUTE (ウイーン郊外)

建物周辺の森の中に民家が散在している。

ノルウエー・ハルデン では、街中の丘の地盤の中に埋め込まれて研究用原子炉がある。