カナダの ラジオアイソトープ商業生産専用原子炉

Nordion社は現在カナダ原子力公社(AECL)のNRUによって世界のほぼ65%のMo-99 を供給していますが、その供給能力を安定させるために、ラジオアイソトープ商業生産専用原子炉を建設しています。

オタワから北西に車で2時間ほどのチョークリバーのカナダ原子力公社(AECL)の中にMaple-1 & Maple-2 (白い2つの建物、いずれも10MW)が建設されています。
Maple-1は2000年5月に全稼動、 Maple-2 は同年11月にサービスを開始する予定です。
MAPLEは Multipurpose Applied Physics Lattice Experiment の略ですが、カナダのシンボルメープルと同じつづりです。

Mo−99は、Nordion社のほかに、IRE(ベルギー)、AEC(南アフリカ)、 Mallinckrodt(オランダ)などからも供給されています。世界の需要が毎週 277.5 TBq =7500 Ci であるのに対し、世界の生産能力は毎週約629 TBq = 17000 Ci あるとされています。
これによって一見安定供給が保証されているように見えますが、Nordion社労働者のストライキなどが原因で供給が途絶える可能性もあって、危機管理の必要性が残されています。