放射線は物質を透過する

これは当初ベクレル線とな呼ばれましたが、それはヘリウム、電子、光子であることがわかり、アルファ線、ベータ線、ガンマ線と名付けられました。これら異なる放射線は物質の突き抜け方が違います。

アルファ線 は重い粒子なので紙1枚で止まってしまいます。

ベータ線 はそれよりは軽い電子なので紙を突き抜けますが、ガラスで止めることが出来ます。

ガンマ線 はガラスも突き抜けてしまうので、厚いコンクリートを使わないと遮蔽できません。

中性子 は、コンクリートの中でも何度も衝突しながらスルスルと動いて一部は抜けてきてしまいます。

今では、中性子や陽子、さらにより重い様々な原子核や、或いはミュオンなどの軽い粒子も放射線と呼ばれます。これほど多くの種類の粒子を、何故一緒くたに「放射線」と呼ぶことができるのでしょうか?それは、放射線が物質に吸収されたとき、写真乾板を感光させるとか、ガラスを光らせるなどいうような共通の 放射線作用を与えるためです。

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