ベクレルについて 

水タンクから水が放出されるように、放射性物質から放射線が放出されます。

放出される水量を毎秒何リットルと表すのと同じように、放射能の強さは、毎秒何個原子核が壊れて放射線が放出されるかで表されます。これが ベクレル です。1ベクレルとは、毎秒1個原子核が壊れて放射線が出てくることにあたります。

人体には カリウム40 という放射性同位元素が含まれていて、崩壊してガンマ線が出てきます。その数は一人の大人で約4,000個です。従って、4,000ベクレルのカリウム40 が人の身体に含まれていることになります。

370万ベクレル以下のガンマ線を出す放射性同位元素は、密封されていれば、法律上は「放射線源」ではありません。

数千から数万ベクレルという数字は放射能としては大きなものでないことがこれで分かりますね。

昔はキュリー(Ci)という単位が放射能の強さを表す単位として用いられていました。1キュリーは、3千7百億ベクレルにあたります。

前のページで述べたように、グレイは、吸収された放射線の量の単位です。

1 キュリー(3千7百億ベクレル)のコバルト60ガンマ線源から 1m 離れた場所に 1 時間いると、ほぼ 0.01 グレイ になります。

0.01グレイのガンマ線を全身に浴びた場合に、身体への放射線影響を表す量は0.01 シーベルトとなることは既に述べたとおりです。

水シャワーから離れたところでは浴びる水の量が少ないのと同じように、放射線の源から離れていれば浴びて吸収される放射線の量(シーベルト)は小さくなります。また、その場所に居る時間が短くてもシーベルトが小さくなりますし、放射線源との間に遮蔽物を入れることによってもシーベルトを小さくすることが出来ます。

 

(昔はレントゲンやラドという単位で呼ばれていました。1キュリーのコバルト60ガンマ線源から1m離れた場所の放射線の照射線量はほぼ1レントゲンで、この放射線で照射されて吸収されたエネルギーはほぼ 1 ラッドです。)