人体と放射線の関係についての考え方を整理しておきましょう。

放射線の量は、環境にある自然のレベル、それより強いけれど200ミリシーベルトまでの低線量レベル、1シーベルトを越える大量の放射線レベルの3段階に分けて考えると良いでしょう。

私たちが普通に生活する環境では、毎年数ミリシーベルトの放射線を浴びます。これは避けることが出来ません。しかし私たちの身体はこのような放射線とつきあう方法を知っていて、日常の生活では空気の存在を意識しないのと同じように、放射線の存在を意識することがありません。

低線量では、放射線は微量元素と同じ様に刺激・活性効果があるために、放射線の悪い影響を上回って、良い効果を与えると考えられています。その詳しいことはまだ明らかになっていません。現在学者たちが研究しているところですから、その成果を見守りましょう。とりあえずは、低線量の放射線に対して過剰な恐怖感を持たなくても良いのだと考えましょう。

1シーベルトを越える放射線は明らかに悪い影響を与えるので、賢明に避けなくてはなりません。

 

これで 「第1章 放射線と放射線について」 を終わります。

この後、「第2章 放射能と放射線の使い方」 が続きます。


「放射線と正しくつきあうために」の目次に戻ります。


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