エピローグ

私たちの住む世界は、のどかで、美しく、恵み豊かな姿を見せてくれますが、ときに恐ろしく、猛々しい姿をも現します。生き物たちは生まれ、生き、子を産み、年をとり、そして土に戻ることを繰り返しています。この長い生命の連鎖を通じて、生き物たちは自然の恵みを享受するとともに、おそろしい自然の力からの打撃を回避する知恵を身につけてきました。

それは、放射線についても同じです。人間が放射線を知ってから100年経った今、私たちは放射線について多くを知るようになりました。まだよく分かっていないこともありますが、間違って理解していることもあるのです。100年という時間は、人間の知恵を深めるには十分長い時間では無いのでしょう。

放射線は危険である側面と有用である側面とを持っています。適量の放射線は必要でさえあるかもしれないのです。今こそ私たちは放射線との正しいつきあい方を身につけなければなりません。そうすれば、放射線は私たちの良き友となって、色々と役に立ったり助けたりしてくれることでしょう。

終わり


「放射線と正しくつきあうために」の目次に戻ります。


 

この資料を作製するにあたり、下記の方々・組織のご教示をいただきました。

厚くお礼申し上げます。

高エネルギー加速器研究機構 鈴木健訓
日本原燃株式会社 松岡伸吾
東京大学・大学院農学生命科学研究科 中西友子
農林水産省・放射線育種場
放射線利用振興協会