研究成果名

連続スペクトル中性子ビームの実効的全巨視的断面積決定方式の開発

研究成果の概要

中性子ラジオグラフィは中性子線の物質の透過量の相異を検知する技術であるが、従来使用するビームが連続スペクトルを有していること、そのスペクトルは物質透過特性に従って変遷すること、取得画像には散乱線成分を含むこと、ガンマ線のバックグラウンドが避けられないことによって、核データを用いた解析、計算は実用上不可能であった。本研究により、透過特性を記述する実用的な量として、実効的全巨視的断面積を定義することによって、上記の諸問題の解決を図った。

研究成果の国民生活・経済への寄与の内容

前項の実効エネルギーの定量化と、本研究が完成することによって、中性子ラジオグラフィ技術のより高度な定量的な解析および議論が可能となる。

成果に関する国際的な評価

関連する研究成果は逐次国際会議に公表、各種プロシーディングス、Nuclear Instruments and Methods等のジャーナルに多数の論文を発表している。現在、本研究の関連でで開発したL/D測定治具は非破壊検査協会のNDISとして規格化されている。

その他

原研施設利用共同研究。

(研究代表者:小林久夫 立教大学)