研究成果名 |
希土類元素などの特定金属を濃縮するしだ植物の発見 |
研究成果の概要 |
中性子放射化分析により約70種類のしだ植物中の希土類元素、アクチノイド、その他の微量金属元素を定量した。土壌などの環境影響の効果を除いて、種による希土類元素などの金属元素の濃縮度を調べた。べにしだなどの特定のしだ植物でランタノイドが濃縮されることが示された。この他にスカンジウムを濃縮するしだ植物など、環境微量元素の濃縮にはしだ植物の種類による相違があることが明らかとなった。 |
研究成果の国民生活・経済への寄与の内容 |
微量元素による環境汚染の広がりを把握する上での指標植物として、特定の種類のしだが有効であることを示した。希土類元素による汚染や人体影響についてのデータはほとんど報告されていないが、産業分野での利用が活発化しており、廃棄物を通じての環境汚染が将来発生する恐れがあるとされている。この点からも、本研究で明らかになった指標植物としてのしだの特定種の存在は社会的に意義あるものである。 |
成果に関する国際的な評価 |
研究成果はこの分野で最も権威ある国際会議である Modern Trends in Activation Analysisで公表し国際的に高く評価されている。 日露分析化学シンポジウムでの依頼講演でも研究成果を紹介し,高い評価を得た。 また,学術論文としては,この分野の代表的国際専門学術誌である Journal of Radioanalytical and Nuclear Chemistry誌の厳正な審査を通過し、公表されている。 さらに,しだ以外の植物も含む放射化学実験によるデータを加えて,植物への濃縮機構について成果を得,当該分野の国際的専門学術誌である Biological Trace Element Research誌に公表した。 |
その他 |
立教炉利用共同研究 (研究代表者:薬袋佳孝 武蔵大学) |