UTNL-W-0002
Annual Report of Nuclear Engineering Research Laboratory (1995)
原子力工学研究施設年報(平成7年度)

Nuclear Engineering Research Laboratory
University of Tokyo



Online Reports on Nuclear Engineering
Ed. K. OKAMOTO
Nuclear Engineering Research Laboratory
University of Tokyo


要旨

このレポートは、平成7年度、東京大学工学部原子力工学研究施設における 研究教育活動に関してまとめたものである。 別途、UTNL-R-0340 として刊行されているものを、 WWW 用に再構成したものである。
目次
0. 巻頭言
1. 設備経過報告
1.1 原子炉「弥生」経過報告
1.2 ライナック経過報告
1.3 ブランケット経過報告
1.4 重照射運転管理部経過報告
2. 研究活動
2.1 原子炉設計工学研究部門
2.2 原子炉機器工学研究部門
2.3 核融合炉燃料工学研究部門
2.4 原子炉本部
2.5 ライナック運転管理部
2.6 ブランケット管理部
2.7 重照射運転管理部
3 研究発表
3.1 原子炉設計工学研究部門
3.2 原子炉機器工学研究部門
3.3 核融合炉燃料工学研究部門
3.4 原子炉本部
3.5 ライナック運転管理部
3.6 ブランケット管理部
3.7 重照射運転管理部
4. 教育
5. その他


巻頭言

 本年報は、東京大学工学部附属原子力工学研究施設の平成7年度 における研究教育活動、研究設備の運転状況などについてとりまと めたものである。
 本施設には、高速中性子源炉「弥生」、電子ライナック、核融合 炉ブランケット設計基礎実験装置、重照射研究設備(HIT)の4 つの大きな研究装置があり、それらを用いて原子力工学の広い分野 にわたる教育と研究を実施するとともに、前二者は全国大学共同利 用、ブランケットは工学部内の、HITは学内の共同利用に供して いる。各研究装置を用いた研究の成果は、各々の成果報告書にまと められている。
 平成7年度は本施設がその総力をあげて真剣に将来計画の議論を 開始した年であった。残念ながら平成9年度の実現は見送られるこ ととなったが、全国共同利用のセンターに改組し一層の飛躍を図る という構想をたて、これまでの成果とともに外部のかたに評価して いただいた。その結果、これまでの成果、将来計画のいずれにも高 い評価をいただき、我々としては大いに勇気づけられている。将来 計画については今後内部でさらに検討を進め、近い将来に是非とも 実現させたいと願っている。外部評価の際、ある委員が「原子力工 学研究施設がこれほどいい成果をあげているとは知らなかった」と いう感想をもらされた。これは裏返せば、「いい成果をあげてはい るものの宣伝が十分でない」という意味になる。我々はその点につ いては反省し、この年報も成果の宣伝手段として一層活用していき たいと考えている。
 4つの大きな研究装置は現在いずれも活発な利用が続いている。 また、さらなる発展のために設備更新に向けての準備も進められて いる。この年報は、まずこれらの装置の平成7年度の管理運用の経 過を述べる。
 本施設に所属する学生数はこのところ急増している。これは東京 大学の大学院重点化によりシステム量子工学専攻の大学院生が増え たことの反映で、平成7年度に原子力工学研究施設の研究部門に所 属した学生は博士課程20名、修士課程20名、学部学生8名の計48名 であった。本年報では教職員の研究成果とともにこれらの学生の研 究活動および学位論文・卒業論文の内容などについてもまとめてい る。その研究は、施設内の大型研究設備を用いた研究を中心としつ つ、原子力工学の最先端や新分野を切り開くことを目指すものであ り、核融合炉第一壁工学、核融合炉燃料サイクル工学、電磁構造工 学、熱流体工学、数理情報学、量子ビーム工学、新型炉設計などで ある。
 本施設では前述のように全国共同利用のセンターに改組すること を目指して検討を続けているが、これと並行して共同利用の一層の 活性化を図るとともに、本施設独自の立場からの原子力工学の多彩 な発展への寄与を目指した活動を行っており、計画の前倒しの実現 の形で大きな成果を上げている。これは本施設教職員、学生の努力 の成果と自負するところではあるが、同時にご高配いただいている 文部省、工学系研究科長、両評議員、ならびに協議員を始めとする 工学系研究科の諸先生、さらには様々なご協力をいただいている日 本原子力研究所の各位のご厚情、ご指導の賜物であり、ここに厚く 御礼申し上げる。

            主任教授 班目 春樹


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