UTNL-W-0003J
Annual Report of Nuclear Engineering Research Laboratory (1996)
原子力工学研究施設年報(平成8年度)

Nuclear Engineering Research Laboratory
University of Tokyo



Online Reports on Nuclear Engineering
Ed. K. OKAMOTO and H.HARANO
Nuclear Engineering Research Laboratory
University of Tokyo


要旨

このレポートは、平成8年度、東京大学工学部原子力工学研究施設における 研究教育活動に関してまとめたものである。 別途、UTNL-R-0353 として刊行されているものを、 WWW 用に再構成したものである。
目次
0. 巻頭言
1. 大型設備の経過報告
1.1 原子炉「弥生」経過報告
1.2 ライナック経過報告
1.3 ブランケット経過報告
1.4 重照射運転管理部経過報告
2. 研究活動
2.1 原子炉設計工学研究部門
2.2 原子炉機器工学研究部門
2.3 核融合炉燃料工学研究部門
2.4 原子炉本部
2.5 ライナック運転管理部
2.6 ブランケット管理部
2.7 重照射運転管理部
3. 研究発表
3.1 原子炉設計工学研究部門
3.2 原子炉機器工学研究部門
3.3 核融合炉燃料工学研究部門
3.4 原子炉本部
3.5 ライナック運転管理部
3.6 ブランケット管理部
3.7 重照射運転管理部
4. 教育
4.1 原子炉設計工学研究部門
4.2 原子炉機器工学研究部門
4.3 核融合炉燃料工学研究部門
4.4 原子炉本部
5. 研究施設一年間の行事
6. 研究施設見学者一覧
7. 海外出張記録等
7.1 教職員海外出張記録
7.2 大学院生海外出張記録
7.3 海外研究員・短期留学生記録
8. 学会賞等
9. UTNLレポート一覧


巻頭言

主任教授 宮 健三

 本年報は、東京大学工学部附属原子力工学研究施設の平成8年度における研 究教育活動、研究設備の運転状況などについてとりまとめたものである。
 本施設には、高速中性子源炉「弥生」、電子ライナック、核融合炉ブランケッ ト設計基礎実験装置、重照射研究設備(HIT)の4つの大きな研究装置があ り、それらを用いて原子力工学の広い分野にわたる教育と研究を実施するとと もに、前二者は全国大学共同利用、ブランケットは工学部内の、HITは学内 の共同利用に供している。各研究装置を用いた研究の成果は、各々の成果報告 書にまとめられている。
 平成7年度に全国共同利用のセンターに改組し一層の飛躍を図るという構想 をたてたのを皮切りに、本施設では引続き将来計画について議論を重ね、こう した議論の過程あるいは研究成果を、原子力の分野にとどまらず広く世に問う 必要があると考えるに至り、その一環として、「核エネルギーシンポジウム」 を平成9年度より定期的に開催することにした。
 4つの大きな研究装置は現在いずれも活発な利用が続いている。また、さら なる発展のために設備更新に向けての準備も進められている。この年報は、ま ずこれらの装置の平成8年度の管理運用の経過を述べる。
 本施設に所属する学生数はこのところ毎年増加している。これは東京大学の 大学院重点化によりシステム量子工学専攻の大学院生が増えたことの反映で、 平成8年度に原子力工学研究施設の研究部門に所属した学生は博士課程23名、 修士課程22名、卒論生として学部学生7名の計52名であった。本年報では 教職員の研究成果とともにこれらの学生の研究活動および学位論文・卒業論文 の内容などについてもまとめている。その研究は、施設内の大型研究設備を用 いた研究を中心としつつ、原子力工学の最先端や新分野を切り開くことを目指 すものであり、核融合炉第一壁工学、核融合炉燃料サイクル工学、超電導工学、 電磁構造工学、熱流体工学、数理情報学、量子ビーム工学、新型炉設計などで ある。
 本施設では前述のように全国共同利用のセンターに改組することを目指して 検討を続けているが、これと並行して共同利用の一層の活性化を図るとともに、 本施設独自の立場からの原子力工学の多彩な発展への寄与を目指した活動を展 開しており、着実に成果を上げつつある。これは本施設教職員、学生の精進の 成果と自負するところであるが、同時にご高配いただいている文部省、工学系 研究科長、両評議員、ならびに協議員を始めとする工学系研究科の諸先生、さ らには様々なご協力をいただいている運営委員会委員、日本原子力研究所の各 位のご厚情、ご指導の賜物であり、ここに厚く御礼申し上げる。