UTNL-W-0003J Section 1.2
1. 大型設備の経過報告
1.2 ライナック経過報告
(1)概要
 ライナックは5月下旬からいくつかの故障はあったものの、秋以降は大きな 故障もなく、夏期の保守などに割り当てられたマシンタイムを利用モードに振 り替えるなどの対応を行い、予定されていたマシンタイムをほぼ消化した。
(2)運転時間と共同利用
 平成8年度のライナック稼働時間は、保守を含めて2297時間であった。 その間の故障は11件発生した。故障はすべて修理により復旧したが、利用に は若干影響が出た。利用運転は、表1に示すように 29週であり、その内訳は、ツインモード12週、短パルスモード17週であっ た。表2に示す共同利用テーマ6件と施設内利用テー マ1件の利用に供された。
(3)その他
 共同利用研究テーマ(8L-02:プラズマ加速)において、6月にサブピコ秒 電子ビームと100フェムト秒レーザとのピコ秒レベル(標準偏差3PS)の同期に成功 し、11月にレーザー航跡場プラズマ加速に成功し、トムソン散乱X線発生に成功した。
 平成8年6月に開催されたライナック管理運営委員会において、ライナック 炉室内運転モードの廃止と夜間・休日運転の取り決めが確認された。また、12名の ライナック運転資格者が認定された。

表2 平成8年度 ライナック共同利用テーマ一覧表(L・Sシリーズ)
採 番 テーマ名 テーマ
代表者
実験参加
代表者
施設内幹事
08L-01 水溶液の放射線効果の研究 石榑 顕吉 勝村 庸介 上坂 充
08L-02 プラズマ加速 小方 厚 吉田 陽一 渡部 貴宏
08L-03 サブピコ秒領域における無機固体シンチレータの発光機構の研究 柴田 裕実 柴田 裕実 吉井 康司
08L-04 サブピコ秒パルスラジオリシス 田川 精一 吉田 陽一 上坂 充
08L-05 機能性材料の電子線照射効果 寺井 隆幸 寺井 隆幸 山口 憲司
08L-06 フェムト秒パルス電子線モニターの開発 中沢 正治 中沢 正治 上坂 充
08S-01 フェムト秒ライナックのためのマシンスタディ 宮 健三 上坂 充