UTNL-W-0004J Section 1.2
1. 大型設備の経過報告
1.2 ライナック経過報告

(1)概要

ライナックは大きな故障もなく運転され、予定されていたマシンタイムを順調に消化した。なお、ユーザー側の希望があり、夏期の運休期間をマシンタイムに振り替え利用に供した。

 

(2)運転時間と共同利用

平成9年度のライナック稼動時間は、保守を含めて2330時間であり、ほぼ例年通りである。。その間、機器の性能低下により保守部品の交換作業を行ったが利用には影響しなかった。保守交換部品は、35L熱電子銃を18L熱電子銃に使用していたものに交換。クライストロンパルサー電源のサイラトロンを2台を交換。サブハーモニックバンチャーの増幅真空管を2個交換した。利用運転は、表1に示すように28週であり、その内訳は、35Lモード17週、28Lモード4週、18Lモード7週であった。表2に示すように、共同利用テーマ7件と施設内利用1件の利用に供された。

 

(3)その他

18Lライナックの熱電子銃に代わって、レーザーフォトカソードRF−GUNが設置され、パルス圧縮器のシケイン装置が導入された。これらの装置を利用して、逆コンプトン散乱X線発生実験、プラズマ加速実験に供された。なお、パルス圧縮実験において400フェムト秒のパルス発生に成功した。

また、10名のライナック運転資格者が認定された。