UTNL-W-0007J
Section 1.4
本年度で共同利用を開始して13年目を迎え、加速器及び周辺装置のマイナーなトラブルはあったが、本年度もマシンタイムに大きな支障を与えるような故障は幸いにしてなく、共同利用は概ね予定通り消化した。
平成10年度もプロジェクト研究及び一般研究の募集を行い、採択を重照射委員会で行った。プロジェクト研究は上半期1件、下半期1件の応募があり、審査の結果採択された。一般研究については上半期13件、下半期14件の応募があり、全てのテーマが採択された。また平成10年度のマシンタイムは上半期、下半期ともに14週であった。安全審査は例年通り、重照射棟・設備安全管理委員会で行われ、全て問題なく審査をパスした。
設備面では、バン・デ・グラーフ加速器にダストソースと実験用ビームライン及びチャンバーを設置し、10年度も夏と冬の2回ダスト加速実験が行われた。前年度の経験を踏まえ、徐々に安定した微粒子加速を実現することができ、今年度は世界最高加速電圧となる3MVでの加速に成功した。他では中性子発生室に陽電子ビーム測定装置を設置し、イオンビームラインと連結してイオンビーム照射下陽電子消滅実験装置を製作した。またこれに伴ってRI使用に関する変更申請を行い、中性子発生室でのNa-22の使用とバンデグラフの加速イオン種の増強が認められた。
財政面では予算が大幅に削減されたために、ユーザーから利用日数に応じて利用料金を徴収して不足分に充てた。
バン・デ・グラーフ、タンデトロン共に上・下半期を通じてほぼ順調に運転が行われた。10年度共同利用研究テーマ一覧及び運転・点検予定表を表1、2、3に示す。