HIT | 東京大学大学院工学系研究科原子力国際専攻 |
放射線物理工学研究室(阿部ユニット) |
現在の電力供給を支える軽水炉、将来の課題である高速炉や核融合炉等々、
およそ中性子の照射を受ける材料は必ずといって良いほど劣化していきます。
この劣化によってプラントシステムの寿命や経済性が左右され、
この現象を引き起こす原子スケール〜ナノ領域の材料変化を突き止め、
経年劣化の正確な予測への手がかりとします。
また、照射耐性を向上させた材料開発に繋げ、
より長寿命かつ経済性に優れたシステムの開発を通して社会に貢献します。
無限に広がる大宇宙・・・。
我々の住む宇宙や太陽系は果たしてどう創られてきたのか?
この謎を解く鍵は、宇宙塵(cosmic dust)の中にあります。
HITでは、宇宙塵を模擬するために微粒子を超高速に加速させることができ、
宇宙塵検出器開発や宇宙用材料開発の拠点として機能しています。
トカマク型核融合炉の構造材料における中性子照射損傷研究をはじめ、 ダイバータ板やブランケット増殖材など各コンポーネンツにおける照射損傷の研究を、 イオン加速器による照射実験を中心に推進しています。
軽水炉寿命を左右する圧力容器鋼の照射脆化問題や、
燃料被覆管の腐食や水素脆化、照射誘起応力腐食割れなど、
今まさに軽水炉で問題になっている現象の理解と問題解決のための研究を推進しています。
日本(東大)発の新概念原子炉として注目されるスーパー軽水炉の材料や、
スーパー高速炉の燃料被覆管、炉内構造物、
圧力容器など新システムに最適な材料の開発を目指します。
材料中の原子レベルの欠陥を高感度に検出できる陽電子ビーム等を駆使して
照射損傷の基礎研究を推進しています。
2013年に打ち上げ予定の日欧共同水星探査計画”BepiColombo”。 この探査衛星に搭載する圧電素子型宇宙塵検出器MDM(Mercury Dust Monitor)の開発をHIT加速器を用いて推進しています。 このプロジェクトへの参加希望者を強力に募集中です!
※この図は「ガリレオ」です→
MDM以外にも、電離型や飛行時間型など、種々の宇宙塵検出器の開発を推進しています。