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LINAC

ライナックについて

LINAC

ライナックとは

ライナックとは

ライナックは線形加速器を指します。
英語でLINACと書き線形加速器であるLinear Acceleratorを短縮したものです。その名の通り、電子(エレクトロン)や陽子(プロトン)など荷電粒子をまっすぐな加速器で加速します。

電子ライナックの大きな用途は以下の3点です。

①医療用(医療用はリニアックと読むことが多い)
②非破壊検査用=X線に変換して金属等の透過写真をとる
③研究用等

放射性物質から放出される電子線はβ線と呼ばれますが、ライナックで電子を加速すると、それよりもさらに高エネルギーまで容易に加速できます。その他にも自然界のβ線にはない性格を色々と付加することができ、放射線の及ぼす効果等の研究に適するように設計できます。

 

電子線形加速器施設(LINAC)

1974年 建設開始
1978年 ・原型完成:世界初のピコ秒シングルパルス電子線形加速器
・35Mev電子ビームにより原子炉で中性子発生
・原子炉パルス運転、中性子飛行時間測定(TOF)
1988年 ・ツインライナックシステム(2台の加速管の並列同時運転)への改良
・自由電子レーザー(FEL)発振実験
1994年 ・フェムト秒高速量子現象研究設備の設置とライナックとの同時運転
・光電子銃(RF電子銃)の開発

 

東大原子力専攻ツインライナックシステム

本施設のツインライナックシステムとは、本施設が世界で初めて提案、実現した装置です。放射線の作る活性種を高時間分解で計測する場合、極く高時間になってくると計測器そのものが追従できなくなり、現在入手できるどのような計測器を用いても計測できなくなります。
一方、めまぐるしく動く舞台の人間もストロボ光で瞬間に光を当てると止まって見えます。同じ原理を高時間の計測に利用したのがツインライナックシステムです。
ライナックを2台用意し、1台のライナックのピコ秒ビームを光に変換すると、これは非常に短いストロボ光として利用でき、もう1台のライナックで作った活性種の高速現象を止めて見ることができ、精密で高時間分解の計測が可能となります。2台の加速器のビームの相対時間を移動しながら加速器2(ACC-2)のビームの作る活性種の中を透過してくる光の量をみていると、高時間で高感度に活性種の濃度の時間挙動を知ることができます。このような観測では、ストロボ写真での人間の目と同様比較的遅い検出器で超高速現象を観測できます。

 

 

LINACの性能(2つのビームライン)


2つのライナックは35Lと18Lと呼んでおり、それぞれ表のように特徴の異なるライナックとなっています。
・高電界での放電の回避できる高周波(RF)電場での加速
・35L:熱電子銃・・・熱電子(パルス幅は比較的長いが高出力)
・18L:フォトカソードRF電子銃:光電子(入射レーザー光で制御:出力は低いが短パルス)