放射線とは?

素粒子・原子核の階層の粒子が飛び出してきて、放射線となって物質をたたきます。

物質は、細胞、分子、原子、原子核、素粒子というように階層を下るに従って小さくなっていきますが、どの場合でも全体の中に閉じこめられています。それらは、あたかも組織の中の人間のように、それぞれの役割を心得て中で動き回っているかのようです。

そして、原子核や素粒子の階層の、目に見えない粒子が物質に束縛された状態から自由になって飛び回るようになったものが放射線です。

光子が放出されれば光線、紫外線、X線、ガンマ線などと呼ばれます。電子が放出されれば、ベータ線や電子線などと呼ばれます。陽子が放出されれば陽子ビーム、中性子が放出されれば中性子ビーム、ヘリウムの原子核が放出されればアルファ線です。ミュオンや中間子などもなんらかの方法で飛び出してくれば放射線になります。

このように、無数の粒子が放射線になるのですが、それは私たちの物質世界を形作っている基礎的な階層の粒子そのものなのであって、見知らぬ世界からの闖入者なのではありません。

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