放射能と放射線

このような放射線を出す性質のことをマリー・キュリーは「放射能」と名付けました。放射線を出すということは高いエネルギーを放出することですから、もともと内部にそれだけの余分なエネルギーが溜まっていたということになります。このように内部に余分なエネルギーを蓄えている不安定な元素を放射性同位元素と云います。

原子核の中に蓄えられていたエネルギーが放出されるときに出てくる粒子が、放射線です。


そして、放射線を出す性質のことを放射能と云います。

天然の放射性同位元素はわずか15種類ですが、加速器や原子炉を用いて人工のものをたくさん作ることが出来ます。今では1200種類にものぼる放射性同位元素が知られていますが、安定な同位元素の数が約290種類ですから、放射能を持つものが如何に多いかわかるでしょう。

放射線同位元素は元素の記号に質量数という番号を添えて区別されます。質量数というのは、原子核の中の陽子の数と中性子の数の和で、原子核の重さの目安になります。例えば、K-40は、カリウムという元素で、陽子と中性子を合わせて40個持っています。U-238は、ウランという元素で、陽子と中性を合わせて238個持っています。

(1.2 放射線 はこれで終わりです。次のセクションに入ります。)

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