イオン化によって一度離ればなれになった電子とプラスイオンは多くの場合またくっついて 中和 します。中和のあと、 何事もなかったかのように元の分子に戻ることが多いのですが、一部原子の組み替えが起こります

水に放射線を照射すると、水素や過酸化水素が出てきます。

空気に放射線を照射すると、オゾンや酸化窒素が作られます。

プラスチックスは高分子とよばれていて、膨大な数の原子が鎖のように連なった大きな分子です。これに放射線を照射すると、水素やメタンのような小さな分子のかけらが出てきますが、高分子そのものもバラバラにされたり、逆に分子の鎖の間に結合が出来てゴチゴチに固くなったりします。バラバラになることを 分解 と云い、鎖の間に結合が出来ることを 橋架け と云います。

このように放射線の作用によって原子の組み合わせが変わって分子の形が変わることは好ましくないことが多いのですが、逆にこれを使って役に立つ性質の物質を作ることも出来るのです。

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