2.4 核反応を利用する

放射化分析

核反応を利用する使い方もたくさんあります。一番良く行われている方法は、調べたいものに放射線をあてて核反応を起こさせて、わざわざ放射能を持たせるものです。このような核反応を起こさせるためには中性子、高エネルギーのガンマ線、イオンビームなどが使われます。

この中にどのような元素が入っているかを知りたい。大事な物だから、つぶしたり、壊したりは出来ないのじゃ。

中性子を試料に照射する場合を例に見てみましょう。中性子を照射するのには研究用の原子炉を使うのが一番簡単です。

研究用原子炉の中に測りたいものを入れます。試料の中の元素は中性子を吸って、放射能を持つようになります(放射化という)。

図のように、原子炉の中に試料を紐で吊り下げて照射することも出来ますが、自動的に試料を送り込む装置を使う方法が多く採られています。

試料を原子炉の中に入れると、その中の原子核は中性子を一つ吸収してその分だけ重く、不安定になります。この不安定さはある平均の寿命で特定のエネルギーの粒子を放出することによって取り除かれます。このような性質を放射能と云い、放出される粒子を放射線というのでしたね。放出される放射線の種類とエネルギーは原子核ごとに異なるので、それを測れば、どのような原子核がどれだけあったのかを知ることが出来るわけです。

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