核分裂・核融合

核反応が起こると、粒子のやりとりがありますが、同時にエネルギーのやりとりも多かれ少なかれ起こります。

そのような核反応の中でも、大量のエネルギーが放出され、かつそれを持続させることの出来る場合が核分裂・核融合と呼ばれているものです。

核分裂は、トリウム、ウラン、プルトニウムのような重い原子核が中性子などを吸収すると、内部のエネルギーが高まって大きく壊れますが、このとき放出される大きなエネルギーを用利用して発電を起こさせることができるのですね。核分裂を用いた発電は原子力発電として実用になっていて、日本の電力の35%以上をまかなっています。

核融合は、水素・重水素・三重水素のような軽い原子核がくっついて重い原子核になるときに放出される大きなエネルギーを用います。これは現在研究・開発が進められている段階です。

核分裂・核融合いずれの場合も莫大なエネルギーを放出すると同時に、放射線も発生します。この場合発生する放射線を利用することが目的になる場合もあります。このような目的に用いる原子炉は研究用原子炉と呼ばれていて、原子力発電所の原子炉とは大きさも使い方も違います。研究用原子炉は大量に中性子が発生するので、試料を原子炉の中に入れて中性子と核反応させたり、あるいは原子炉から中性子ビームとして取り出して色々な実験研究に利用します。

発電用原子炉 研究用原子炉
エネルギー(電力)を取り出すのが目的 中性子などの放射線を取り出すのが目的
出力が大きい (百万キロワット) 出力は小さい (百〜千 キロワット)
  色々な実験装置がある

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