それでは改めて放射線検出器を見てみましょう。私たちの回りの放射線の量はわずかでまばらに検出器に入ってくるので、揺らいで観測されます。

下の図は、日本原子力研究所(茨城県東海村)の研究者が測定器を持って、東海村の研究所から東海駅で電車に乗り→勝田駅で特急に乗り換え→上野駅に着き→山手線に乗って新宿に行き→新宿の地下街を歩き→都営バスに乗って動きながら放射線量を測定した結果です。これから面白いことがいくつか分かります。

1)場所によって放射線の量は一定ではないけれど、毎時0.02-0.04マイクロシーベルトの程度であること

2)研究所の中や上野駅、新宿駅、地下街など建物の中は放射線量が高いこと

 (これは、コンクリートや石材などからの放射線によるものです)

3)常磐線の車内や都営バス(つまり野外)は放射線量が低いこと

4)地下街では宇宙線は部分的に遮られて弱くなっていること

練習問題

野外に1年間過ごした場合と、新宿の地下街で1年間過ごした場合とでは浴びる放射線の量はどのくらいでしょう

答え

上の測定データは、日本原子力研究所のデータです。「暮らしの放射線学」(市川龍資、電力新報社)から引用しました。

次ページへ